特集 “わかったつもり”で終わらせない血液凝固異常とDIC
Part 2 検査と鑑別
⓱ 血液粘弾性検査—凝固開始から線溶までの一連を可視化する動画的検査法
小網 博之
1
Hiroyuki KOAMI
1
1佐賀大学医学部附属病院 高度救命救急センター
キーワード:
ROTEM
,
TEG
,
フィブリノゲン機能障害
,
血小板機能障害
,
線溶
Keyword:
ROTEM
,
TEG
,
フィブリノゲン機能障害
,
血小板機能障害
,
線溶
pp.81-85
発行日 2026年1月1日
Published Date 2026/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.188348330180010081
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
intensivistにとって,凝固異常や線溶異常に直面する頻度は高い。集中治療を要する多様な病態において,止血・線溶メカニズムは疾患進展の中心的役割を果たすだけではなく,抗凝固薬や抗線溶薬といった治療手段としても重要である。凝固異常の診断はまさに「時間との戦い」である。
従来のプロトロンビン時間(PT)や活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)は血小板を除外した血漿検体による検査である。「凝固開始までの時間」という凝固カスケードの初期段階の限定的情報を提示するのみで,生体内の包括的な凝固能を反映しない1)。本稿で述べる血液粘弾性検査viscoelastic testing(VET)は,「凝固開始から血栓硬度増強,線溶過程への移行」という一連の動態を即時的に描出可能である。従来検査が「静止画」であるとするならば,VETはいわば「動画」である。本稿では,VETの理論的基盤から臨床応用までを概説する。

Copyright © 2026, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.

