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血液粘弾性検査—そのAPTT比はホント?
田村 高廣
1
1名古屋大学大学院医学系研究科麻酔蘇生医学
pp.722-725
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530070722
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はじめに
日本に粘弾性検査(viscoelastic tests:VETs)が導入されてから10年以上が経ち,徐々にVETsの普及率も増加傾向にある.日本心臓血管麻酔学会心臓血管麻酔専門医認定施設に向けて2024年度に実施されたVETsの実施状況に関する調査(回収率約60%)では,約65%の施設で何らかのVETsを所有していた.加えて,VETsの救急外来や集中治療室における有用性が示唆されていることから,“粘弾性検査”を耳にすることや実際に利用されている方も増えてきていると思われる.
本稿のみではVETsの全てを概説不可のため,プロトロンビン時間(PT),活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT),活性化凝固時間(ACT)と,VETs(本稿ではTEG® 6s;図1)の集中治療室における1症例を提示することで,最近の話題を紹介する.

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