特集 非侵襲的呼吸管理:NPPV vs. HFNC論争 いま決着のとき
各病態におけるNPPVとHFNCのエビデンス,使い分け
❸ うっ血性心不全—NPPVが適応,HFNCが代替手段となる場合
坂口 輝洋
1
Teruhiro SAKAGUCHI
1
1公立陶生病院 循環器内科
キーワード:
急性非代償性心不全
,
血行動態
,
Bi-level PAP
,
CPAP
,
気管挿管
Keyword:
急性非代償性心不全
,
血行動態
,
Bi-level PAP
,
CPAP
,
気管挿管
pp.465-474
発行日 2025年7月10日
Published Date 2025/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.188348330170040465
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はじめに
心不全の有病率は年々上昇しており1),それに伴い心不全の入院患者数も増加傾向にある2)。なかでも急性非代償性心不全acute decompensated heart failure(ADHF)は,生命予後に直結することが多く,迅速な対応を要するため,救急治療や集中治療領域において極めて重要な疾患である。心不全に起因する呼吸不全に対しては,酸素投与に加え,高流量鼻カニューレ療法high-flow nasal cannula(HFNC),非侵襲的陽圧換気non-invasive positive pressure ventilation(NPPV),さらには侵襲的人工呼吸が適応される。なかでもNPPVは,多くの無作為化比較試験(RCT)やメタ解析3〜5)により,その有用性が確立されている。
本稿では,NPPVの生理的作用と適応について概説するとともに,近年使用頻度が高まりつつある心不全患者におけるHFNCの位置づけについても検討する。

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