Japanese
English
臨床経験
小児頚髄損傷の1例
A Case Report of Cervical Spinal Cord Injury in Children
村上 英樹
1,2
,
山田 義夫
1
,
森川 精二
1
,
堀井 健志
1
,
安念 悟
3
Hideki Murakami
1,2
1市立敦賀病院整形外科
2現:石川県立中央病院整形外科
3泉ヶ丘温泉病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Tsuruga City Hospital
キーワード:
頚髄損傷
,
cervical spinal cord injury
,
小児
,
children
,
MRI
Keyword:
頚髄損傷
,
cervical spinal cord injury
,
小児
,
children
,
MRI
pp.991-995
発行日 1995年8月25日
Published Date 1995/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901706
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抄録:10歳の女児に発生した稀な外傷性頚髄損傷の1例を経験した.症例は,受傷時腱反射および知覚が正常で脊髄ショック期がみられず,骨傷が比較的軽度の割にMRI上脊髄の損傷は広範囲におよび,知覚は遅発性麻痺を呈するという特異な臨床像,経過をとった.C3/4椎間板レベルの脊髄が最も強く損傷を受け,この部分を中心に浮腫が広がったため遅発性に知覚麻痺が顕著となり,浮腫の軽減によって徐々に麻痺が回復したと考えられた.しかしC3/4椎間板レベルの脊髄に空洞形成が発生し,そのため軽度の上肢の麻痺が遺残した.本例では良好な麻痺の回復が観察されたが,これは小児の成長期における神経系の旺盛な順応性にあると考えられた.
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