特集 ICUにおける神経内科
Part 4 神経筋疾患に対するベッドサイド検査
【コラム】ICU-acquired weaknessの予防と治療方針
蜂須賀 明子
1
Akiko HACHISUKA
1
1産業医科大学 リハビリテーション医学講座
pp.930-935
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200334
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本コラムでは,ICU患者が急性のびまん性筋力低下をきたすICU-acquired weakness(ICU-AW)に関して,発症の危険因子,治療や予防のエビデンスを解説する。
Summary
●ICUで治療を行う重症患者が急性のびまん性筋力低下をきたす疾患に,CIPやCIM,CINMなどがある。これらの疾患群を包括してICU-AWと呼ぶ。
●ICU-AWの危険因子には,高血糖,SIRS,敗血症,多臓器不全,腎代替療法,カテコールアミン投与などがある。
●ICU-AWの病態メカニズムは,炎症性サイトカインなどの関与に加えて,ナトリウムチャネル異常に伴う膜興奮性低下などの機能異常が注目される。
●ICU-AWの治療および予防とも,現時点で十分なエビデンスはない。そのなかで,早期リハビリテーションについては有効性を示すデータが増えつつある。
●すべてのICU患者において,廃用性萎縮は少なからず影響する可能性がある。健常者に厳格な安静臥床を行うと,1週間で筋力は10〜15%低下する。
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