書論 『累犯障害者 獄の中の不条理』を読む
日本の刑務所は障害者だらけ、という事実の前に
栗田 育子
1
1大阪府立精神医療センター松心園
pp.86-91
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100405
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小児精神科で働く私の視点
小児精神科という場所には、家庭、学校、地域で生活しづらくなった子どもたちがやってくる。それぞれ生まれながらにして知的障害や自閉性障害などの発達障害をもっている場合も多く、発達障害が社会的不適応だけではなく、被虐待のハイリスク状況を作り出していることがわかる。
このような子どもたちに日々かかわることを生業としている私にとって、この本は実に興味深いものであった。読みながら、かかわった子どもたちの未来に思いを馳せ、これから旅立っていく社会が少しでも子どもたちにとって暖かみのある生活しやすい場所であってくれれば、と祈るような気持ちになった。
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