特集 これが薬を減らす道
多剤併用大量療法の弊害,そして減量・単剤化の試みを解説します。
内田 裕之
1
1慶義塾大学医学部精神・神経科
pp.27-32
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900507
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精神科を受診している患者の処方欄を見て,あまりにも多くの薬を飲んでいて驚いた経験は誰しもあるだろう。日本ではこれまで統合失調症(精神分裂病)患者に対して,多種類の抗精神病薬を大量に投与する薬物療法(多剤併用大量投与)が広く漫然と行なわれてきた。しかし,近年その功罪に関する議論が広まりつつある。
今日,多剤併用大量投与に極めて批判的な欧米諸国においても,1970年代までは,大量投与の有効性を主張した論文が数多く★16,18,19,2剤併用の意義を認める報告も見られた★11。
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