特集 いまさら聞けない精神科看護Q & A
インタビュー④
病院ってなんですか
鈴木 純一
1
1川越同仁会病院
pp.26-29
発行日 1998年5月15日
Published Date 1998/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900048
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「麻薬を使うよりは午後のお茶を楽しむことだ」と,ここに書かれています
―鈴木先生は創刊号でイギリスの「レトリート」について触れていますが*1,どんな病院だったのですか。
イギリスのヨークという町の話です。そこの精神病院にクエーカー教徒の女の子が入院させられたのですが,火事で焼け死んでしまった。その前後にも親が面会させてもらえなかったこともあって,クエーカー教徒たちが何年かかけて「レトリート」と呼ばれる病院をつくったわけです。1790年のことです。
そこで行なわれた主な治療は,「患者に語りかけてなだめる」というものでした。ジョン・ロックなどの思想的な影響もあったのだろうけれども,「人間の行動には理由があり,その意味を考えることによってその人を深く理解することができる」と考えて,興奮している人,落ち込んでいる人,気が狂っている人たちに語りかけて,そしてなだめる。「なだめる」とは静かにさせるということだけではなくて,理解をするということです。
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