連載 くすりのくすり1
治療薬としての看護
鈴木 純一
1
1川越同仁会病院
pp.78-79
発行日 1998年1月15日
Published Date 1998/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900018
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私が精神科の医師になってからもう30年の余になる。その間にいろいろなことがあって,精神医学もそれなりに変わってきていることを経験してきている。
通院精神医療の整備,デイケア,グループホーム,作業所などが地域に根づきつつあるし,精神医療の様相は一変したかのようではある。また精神医療という言葉も「福祉」という語を間に挟むなどして,あたかも古くからの精神医療とは全く別物であるかのように見せている。実際,分裂病の軽症化は世界的に認証されている出来事のようだし,境界例の患者の増加などいろいろ大きな変化があるのも事実である。しかし,精神医療の内容や質はそんなに変わってきているのだろうか。
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