特別記事 アルコール依存症と訪問看護
「本人の意思」と「命のリスク」をどう考えるか
本人の決意表明を尊重したが、急変のリスクを予測しきれなかったケース
小瀬古 伸幸
1
1訪問看護ステーションみのり
pp.339-344
発行日 2023年7月15日
Published Date 2023/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689201156
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アルコール依存症、40代、女性Eさん、一人暮らし
Eさんは、元々アルコールを好む方でした。しかし酒癖が非常に悪く、酔った勢いで家族に悪態をつき、時には暴力を振るうこともありました。家族からは「お酒をやめるように」と言われていましたが、「そうやって私の楽しみを奪おうとする」とEさんは反発し、関係性も良くありませんでした。そのため親元を離れ、一人暮らしをするようようになりました。
最初は一人暮らしを楽しんでいたのですが、次第に1人で過ごす時間が長くなり、寂しさが募り、深酒する日が増えていきました。仕事も無断欠勤するようになってしまいました。やがて仕事を辞め、朝から飲むようになりました。
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