投稿
統合失調症の患者さんへの私のかかわり体験談—失敗も、良かったことも、後輩に伝えたい
成嶋 のり子
1
1医療法人霞水会土浦厚生病院
pp.428-437
発行日 2021年9月15日
Published Date 2021/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200920
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
自我境界のあいまいさについて教えてくれたAさん
机の下にずっともぐっている
私の精神科看護は、精神科看護実習から始まったと言っても過言ではありません。後で振り返り、患者様に大変申し訳ないことをしたと大反省し、心の中で何回も謝罪している事例です。
実習の時、ふと気づくと、毎日ホールのテーブルの下にもぐっているAさん(男性)がいました。自分が担当させていただいた患者さんではなかったのですが、気になって仕方ありませんでした。こちらから見るといつもAさんの顔は見えません。前かがみになって両手を床に着けて体を支えているような恰好です。次の日も次の日も同じです。今考えるとどんなタイミングであそこから出ていたのでしょうか。
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.