特集 保健指導体験集
報告Ⅵ
私の体験談—異常児と家庭訪問
松本 憲子
1
1鳥取県済生会境港病院
pp.24-27
発行日 1971年12月1日
Published Date 1971/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204284
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はじめに
私のつとめているところは,人口4万足らずの小さな港町ですが,漁業を主としたこの地区で唯一の総合病院としての役割も大きく,外来におきましても地区住民の他,他県よりの人たちが訪れます。産科でも里帰り分娩で帰ってくる人も比較的多く,10か月に入って初めて妊婦さんに接し十分な看護計画も立てられず保健指導もできないうちにアッという間にお産を終えると,1か月後の産褥検診もそこそこに嫁ぎ先に帰る例も少なくありません。
母親学級,各月別保健指導などの指導を始め学院時代に教わったり,行なったように妊産褥婦,あるいは新生児にできるだけ具体的に接するようにしたいと思いつつも,助産婦学院を卒業してまだ1年を迎えない現在ですので,迷ったりわからないことばかりで,思うことが何ひとつできません。こんな状態のなかで,私にとりまして初めての,とてもつらく,かなしく,そして難しい経験をしましたのでここに紹介いたします。
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