連載 間の間・16
言葉の味—「わかりみが深い」(=ほうれんそうのおひたし味)
伊藤 亜紗
1
1東京工業大学IIR未来の人類研究センター
pp.1
発行日 2021年1月15日
Published Date 2021/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200823
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かなり前から聞く機会が増えたこの言葉。「うれしみ」「つらみ」「やばみ」などと並んで、感情を表す言葉の最後に「み」をつけて名詞化する。学生など若い世代は、SNSでも口語でも、当たり前のように使っている。
私自身は全然使いこなせていない。「わかりみが深い」と書きながら、内心では「これで合っているのだろうか??」と不安になってしまうレベル。でもそのぶん、この言葉を「感じて」はいるように思う。聞くたびに「み=味」という漢字が思い浮かび、「わかり味ってどんな味だろう」といちいち立ち止まっている。
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