特集 感染症を病歴と診察だけで診断する!
【System 1 電光石火の感染症Snap Diagnosis】
初キッスは苦い味
西野 宏一
1
1湘南鎌倉総合病院総合内科
キーワード:
伝染性単核球症
,
若年成人
,
発熱
,
リンパ節腫脹
,
咽頭痛
Keyword:
伝染性単核球症
,
若年成人
,
発熱
,
リンパ節腫脹
,
咽頭痛
pp.706-707
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103300
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
Case
患者:18歳,大学生.
現病歴:10日間継続する発熱,咽頭痛を訴え受診した.体温39.0℃,扁桃腫大,びまん性の頸部リンパ節腫脹を認めた.また,軽度肝腫大,脾臓を触知した.採血検査では,AST 980IU/l,ALT 1,000IU/l,LDH 3,800IU/l,T-Bil 3.0mg/dl,D-Bil 2.4mg/dlとトランスアミナーゼの上昇を認めた.また,WBC 8,600/μl(多核球3%,桿状核球20%,リンパ球70%,単核球10%)であり, 血液スメアでは異型リンパ球が認められた.伝染性単核球症が疑われ,NSAIDsによる対症療法および経過観察となった.後日,VCA-IgM 160倍,VCA-IgG 320倍の結果が得られ,EBV感染による伝染性単核球症と確定診断した.脾破裂のリスクを考慮し,1カ月は激しいスポーツなどを避けるよう指導した.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.