連載 患者さんが「怒った」事例をアセスメントして今日からの精神科看護に活かしたい・5
新入り患者を牽制するAさん
田辺 有理子
1,2
1横浜市立大学医学部看護学科
2一般社団法人日本アンガーマネジメント協会
pp.282-285
発行日 2020年5月15日
Published Date 2020/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200754
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患者ミーティングでの出来事
Aさんは40代の女性。パーソナリティ障害の診断を受けていました。入院となった背景には人間関係のトラブルなどもあり、なかなか退院の見通しがつかずに数か月が経っていました。医療者に対して無茶な要求をしてきたり、要求が通らないと癇癪を起こしたりして、年齢のわりに考え方や行動が幼く、実のところ何かと厄介な患者さんという印象でした。
この病棟では、定期的に患者ミーティングを行っています。患者さんからの要望などを聞く、あるいは患者さんの入院生活の困り事を一緒に考えるという取り組みです。現状は、患者さんの中での病院に対する不満や改善の要望を出す場という感じで、患者さんにとっては、「ご意見箱」に書くほどでもないことも手軽に話せる場として受け取られていたかもしれません。少しずつ定期的に開催されるミーティングが定着しつつある頃でした。
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