連載 患者さんが「怒った」事例をアセスメントして今日からの精神科看護に活かしたい・1【新連載】
手加減なしにグーで殴ってくるAさん
田辺 有理子
1,2
1横浜市立大学医学部看護学科
2一般社団法人日本アンガーマネジメント協会
pp.484-487
発行日 2019年9月15日
Published Date 2019/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200662
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Aさんは知的障害のある40代の男性です。日常的にスタッフへの暴言や暴力行為がありました。生活動作のほとんどが全介助なのですが、車椅子への移乗や排泄、入浴などの介助の際に、固く握ったグーのパンチが手加減なしに飛んでくるので、スタッフは複数対応をすることで安全を確保していました。
ある日の夜勤中、Aさんが夜中に目覚めて声をあげました。声をあげ続けると周囲の患者さんを起こしてしまうかもしれないと思い、私たち夜勤スタッフはAさんをベッドごとスタッフステーションに移動してきました。Aさんは時折声を荒らげながら何やら1人でモゴモゴ話していて、私は少し離れた所でその声を聞きながら、記録の整理をしていました。
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