連載 患者さんが「怒った」事例をアセスメントして今日からの精神科看護に活かしたい・6【最終回】
上手に怒るAさん
田辺 有理子
1,2
1横浜市立大学医学部看護学科
2一般社団法人日本アンガーマネジメント協会
pp.372-375
発行日 2020年7月15日
Published Date 2020/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200776
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Aさんを怒らせてしまった
これは20年以上も前のできごとです。当時は院内の通信端末が普及しておらず、病棟から医師に連絡を取りたい時は、外来や医局へ電話して、診察などですぐに出られないときはコールバックと言って折り返し電話をかけてもらうように依頼していました。その間、電話の前で待っていたりして、ちょっとした指示受けや確認にも今より手間がかかりました。
Aさんは50代の男性で、大手企業の中間管理職です。うつ病のため休職と復職を繰り返し、この時は休養目的で何度目かの入院でした。この病棟はチームナーシングで私はAさんとは別のチームで、名前と顔は一致するものの治療の詳細はよくわかっていませんでした。今回は、私がこのAさんを怒らせてしまった話です。
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