連載 ケアする人こそやってみよう当事者研究・1【新連載】
—(もういいかげん新人じゃないけれど)—「頼りたい気持ち」の研究
中島 裕子
1
1訪問看護ステーションKAZOC
pp.172-177
発行日 2015年3月15日
Published Date 2015/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200047
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
研究の動機
「私って看護師に向いてない」。看護師になった今もずっとそう思っている。いつからそう考えるようになったのか……思い返してもわからない。たぶん子どもの頃から「救命病棟24時」的なテレビの影響で、看護師というと「てきぱきしていて、よく気が利く」イメージが強かったのかも。私はとにかくどんくさい。
ホスピスでのボランティアを経て、看護師になろうと決めた時も、「まあ、絶対向いてはいないけど、でもやってみたいし、向いてなくてもやってみよう」と思っていた。私のやることに反対したことのなかった父親も、「看護師はやめておけ」と忠告してきた。案の定、看護学校に入学してからも、実習では先生に怒られてばかりいた。そもそもプライベートでも、気を利かせたり、頼られたりすることはとにかく苦手。居酒屋でサラダを取り分けるのすら恐怖。
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.