特集2 身体の「心地良さ」を,変化のきっかけに
―もう下剤・浣腸には頼らない。―看護の力による便秘ケアへの挑戦
片山 美保子
1
,
安田 由佳子
1
,
大坪 雅美
1
1医療法人社団研精会稲城台病院
pp.47-50
発行日 2003年3月15日
Published Date 2003/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900556
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こんなに大量の下剤が身体にいいはずがない
朝の申し送りの最後に「○○さん,今日で3日目になります。昨日,シンラック液を30滴与薬しました」と何人かの患者さんの排泄状況について報告するのは,毎日の重要な日課となっている。当然のごとくスタッフにとっては,患者さんの便が出たかどうかが大きな関心事である,運悪く便が出なければ,さあ大変。浣腸をしましょうか。様子見ましょうか。そういえば最近,精神薬が増えてるわ。もう少し下剤を増やしたほうがよいかしら。明日まで様子見ましょう,いや先生に報告して指示をもらいましょう…などが話し合われるのである。 これらの会話は,どうみても便秘に苦しむ患者さんを看護の方でケアしようとするのではなく,無意識のうちに薬剤や処置,そして医師に依存しているのではないか―そう反省していたときだった。ちょうど院内の看護研究と重なった。
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