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身体合併症で入院し、身体拘束を経験した精神疾患患者の心理―患者へのインタビューを通して
堀井 紀明
1
,
近藤 弘子
1
,
中島 勇子
1
,
長尾 智恵子
1
1社会医療法人財団大樹会総合病院回生病院
pp.57-61
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689101319
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縛られた経験を語ってもらう
近年、精神科病院では、身体合併症や、転倒・転落による骨折・頭部外傷なども含め、身体的治療が必要な患者さんが増えてきています。当院メンタルヘルス科においても身体合併症をかかえた精神疾患患者の受け入れが急増してきています。
身体合併症による不快な症状からさらなる不隠や混乱に陥った精神疾患患者に対して、身体合併症治療へのコンプライアンスを得ることは容易ではありません。ケアの提供に苦慮する場面が多くなり、身体治療や手術からの安全確保、安静保持などを理由に、身体拘束を行うこととなります。身体拘束は身体的機能低下、褥瘡発生などさらなる弊害を引き起こす可能性があり、さらには行動の自由を大きく制限してしまうことで、本人に多大な精神的苦痛を与えるものです。
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