連載 こうすれば退院できるし、暮らせるし。・1【新連載】
患者さんの目標を看護目標にするために「hopeノート」を作成
藤森 祥子
1
1竹原病院
pp.62-65
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689101320
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病院は治療を必要とする患者さんに入院や外来診療を提供する場所です。入院治療は本来、患者さんにとって、人生の通過点にすぎません。しかし現状では入院が数十年、なかには生涯にわたる人もいます。入院が長期化すればするほど、退院への壁が大きくなってしまいます。
慣れ親しんだ場所から未知の場所へ独りで行く際は、私たちでも怖くはないですか? 孤独を感じたりしませんか? よく患者さんの退院は、医療職の病棟異動の心境に喩えられますが、そう考えると患者さんの気持ちが少しわかるはずです。でも思い切って別の場所へ飛び込んでみると、新しい自分に気づいたり、新しい仲間ができたりして、今までの生活が一番だと思い込んでいたのが嘘のように変わったりするものです。不安は異動する前だけ。仲間や新しいやりがいがみつかれば、おのずと吹き飛んでしまいます。入院中から地域での生活への安心材料を少しずつ醸成し、不安を軽減していければ、患者さんの場合も新しい人生への扉が開けるように思います。
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