1・まずは押さえたい基本知識

　近森病院グループの精神科病棟が、下剤に頼らない排便ケアを目指したきっかけは、病棟スタッフが「今の排便ケアではダメなのではないか」という真摯な疑問を持ち始めたことでした。スタッフは排便ケアの基本を学ぶにつれ、アセスメントに基づいた個別ケアを実践できるようになっていきました。

　実践するなかでは、不安や迷い、とまどいや抵抗などがありましたが、仲間の結束を強めながら乗り越えていきました。私はコンチネンス協会という外部からアドバイザーという立場で病棟に入り、スタッフの変化を見守ってきたのですが、ケアに対する思いと、チームで基本を理解することがいかに大事かを再認識させてもらいました。基本が理解できれば、応用が可能になります。