特集 「処方薬依存」と「脱法ドラッグ」が大変なことになっておる
脱法ドラッグ―新たな薬物問題の爆発的拡大
青山(上原) 久美
1,2,3
1横浜市立大学附属病院児童精神科
2神奈川県立精神医療センターせりがや病院・精神科
3せりがや覚せい剤再乱用防止プログラム(SMARPP)研究班
pp.19-23
発行日 2014年1月15日
Published Date 2014/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689101255
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我が国は、先進国のなかでは薬物の生涯経験率が低い国である*1。これが素晴らしいことであるのは言うまでもないが、「薬物依存症者」という病気をかかえた人たちにとってはどうだろう。一緒に断薬を志す仲間に出会いにくく、「クスリがまた使いたくなって苦しい」と薬物への渇望を正直に打ち明ける場も少ない。
さらに言えば社会の偏見は強く、「ヤク中」などと蔑まれ、治療の場も限られてきた。依存薬物の主体が覚せい剤や有機溶剤(シンナー、トルエンなど)など違法薬物であったため、医療従事者ですら「犯罪者なのになぜ医療が」「薬物依存症者は司法へ」と疎む声も多く、依存症治療について学ぶ場は少なかった。
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