Japanese
English
特集 麻酔の進歩
麻酔剤による発火と爆発
Fire and Explosion Hazards with Flammable anesthetic agents
西邑 信男
1
Nobuo Nishimura
1
1東京逓信病院麻酔科
pp.977-984
発行日 1957年12月25日
Published Date 1957/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201680
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
まえがき
麻酔の実施にさいして,もつとも度外視されていながら,しかも,もつとも重要な問題の一つは,麻酔剤(麻酔に使用される液体及び気体をふくむ)による発火又は爆発である。手術場における,種々の不注意のためにおこる,これら麻酔剤の発火又は爆発ほど,あきらかに,医師側の手落ちをものがたるものはない。したがつて,次にのべる如く,非常に稀な事故であるにもかかわらず,いやしくも手術室に勤務している人々は,医師,看護婦とは問わず,一応心得ておかなければならない。
特に終戦前までは,爆発性の麻酔剤は,エーテル及びクロールエチルであり,しかもすべて開放点滴法であたえられ,高圧の酸素も手術室で使用されることは少かつた。
Copyright © 1957, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.