特集1 身体の異変を見逃さない―精神科で必要なフィジカルアセスメント
―精神科病院からの搬送を断らないERから学ぶ―精神科で見逃されがちな身体の急変
山田 秀則
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1名古屋掖済会病院救命救急センター
pp.16-27
発行日 2012年11月15日
Published Date 2012/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689101101
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「精神」を断らないERにある情報
私が勤務する名古屋掖済会病院の救命救急センターは、ER型救急(北米型ER)という全次型救急のシステムをとっており、精神疾患を持っている方の受診や、精神科病院からの救急搬送を断りません。現在、当院が受診や搬送を受け入れる精神科病院は市内外を合わせおよそ10病院程度あり、大きいところもあれば小さいところもあります。頻度としては、重篤な患者さんは月に2件、そこまで重篤感がないものを含めると月10件ほどです。搬送を受ける側としては多いほうで、そのぶん、精神科からの搬送例の経験と、特徴などの情報が集まっていると思います。
また、当院の救命救急センター・副センター長である岩田充永医師が『高齢者救急』という本を執筆し、「熱が出にくい」「訴えが乏しい」など、「高齢者に見逃されがちな急変の落とし穴」というジャンルを新しく切り開いたことも、今回のテーマを意識したことに影響しています。
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