連載 呑んだ勢いでのメール、失礼します!・1【新連載】
扉のない開放病棟?
柿沼 紀子
1
1医療法人正永会港北病院
pp.5
発行日 2012年11月15日
Published Date 2012/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689101098
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私は年に1~2回、横浜にあるドヤ街「ことぶき地区☆」と、そこにある診療所に、医療従事者数名を誘って見学に行っています。なぜなら、患者さんの退院後の行き場所の1つだからです。「ことぶき」から入院してくる患者さんがいるし、そこへ退院していく患者さんもいる。「ことぶき」へ喜んで帰る患者さんもいれば、帰るのが嫌だという患者さんもいる。
ただ、「ことぶき」は、地元の人にとっては、子どもの頃から“入ってはいけない”危険な場所。退院していくところが“川向こう”だとしても、そちらの人が手を差し伸べ待っている──そんなことが、患者さんの退院への不安を少しは軽くしてくれるのではないかと思い、私もできる限りいろいろな地域に顔を出すようにしているのです。
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