特集1 クロザピンがある看護現場
クロザピンは精神科薬物治療に何をもたらすのか
川上 宏人
1
1慈雲堂内科病院精神科
pp.25-30
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689101073
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
クロザピンの登場は薬物療法のあり方を変える
2009年7月29日にクロザピンが日本国内で使用可能になってから、現在、3年が経過しました。現在、約140の施設において900人前後の患者さんに対してクロザピンによる治療がおこなわれており、この薬を用いた治療についての新しい発見や経験が日々蓄積されています。
クロザピンの登場により、私たちは、これまで治療が難航していた患者さんたちの“改善したあとのこと”を思い浮かべることができるようになりました。また、クロザピンを正しく使おうとする中で、これまでの薬物治療に対する考え方や姿勢、患者さんとのかかわり方にも、何らかの変化が認められるようになるものと思われます。クロザピンが薬物治療のアルゴリズムに入ってくることで、それ以外の薬物の使用についても適切であることが求められ、結果として他の薬物による治療効果も上がる可能性すらあると考えます。
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.