研究と報告
クロザピンの有効性とその臨床的意義
木田 直也
1
,
大鶴 卓
1
,
福田 貴博
1
,
福治 康秀
1
,
村上 優
1
Naoya KIDA
1
,
Taku OHTSURU
1
,
Takahiro FUKUDA
1
,
Yasuhide FUKUJI
1
,
Masaru MURAKAMI
1
1独立行政法人国立病院機構琉球病院
1National Hospital Organization Ryukyu Hospital
キーワード:
Clozapine
,
Treatment-resistant schizophrenia
,
BPRS
,
CGI-C
,
CPMS
Keyword:
Clozapine
,
Treatment-resistant schizophrenia
,
BPRS
,
CGI-C
,
CPMS
pp.1145-1150
発行日 2012年11月15日
Published Date 2012/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102318
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抄録
クロザピン(CLZ)は,治療抵抗性統合失調症の適応を持つ唯一の抗精神病薬であり,陽性症状に効果が高いことは過去にも報告されている。ただ,その具体的な標的症状を示す報告は本邦ではなく,それを明らかにすることを目的とした。CLZ投与は,早期から陽性症状に特に効果的であった。その標的症状としては,幻覚・妄想に最も効果的で,猜疑心・敵意・非協調性にも十分な効果が期待できることがわかった。陰性症状や神経症様症状は,観察した期間での改善は限定的であった。CLZの効果は,最低でも6~12か月投与継続した後に判定することが望ましいと思われた。維持量の平均400mg/日は,過去の報告と同様の結果であった。
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