VOICE! 読者が語ります
11月号「死なせない」を読んで/11月号「死なせない」を読んで2/元うどん屋の訪問看護師
pp.2-3
発行日 2012年5月15日
Published Date 2012/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689101012
- 販売していません
- 文献概要
11月号「死なせない」を読んで
匿名希望(東京都)
精神科に入職してからの20年間で、私も何人かの患者さんの「死」に立ち会いました。ただし病棟内での死は身体疾患が原因によるものだったので、天命を受け入れるというか……自殺のときのような「やりきれなさ」みたいな感情はありませんでした。「死にたい」と訴える患者さんには何人も会いましたし、さまざまな自傷行為を目の当たりにもしました。無断離院した方が自殺してしまったという例も何度か経験しました。こういった場面では私も「やりきれなさ」を感じてきました。直接「自殺」を目の前にしたら、より強い衝撃を受けるんだろうと思います。
ずいぶん前ですが、入退院をくり返していた太宰治のような女性患者がいました。結局自殺で亡くなりましたが、問題は「周囲への影響」でした。自殺の連鎖というか……自殺を“された”ほうは、必ず動揺しますよね。「明日は我が身」と思っている患者さんは結構多いようで、たくさん相談を受けました。そんなときに、なんて答えてあげたらよいのか悩みます。
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.