特集1 新しい「精神疾患」この十年
その概念はどうして生まれたか。その診断名を持つ人に、どうかかわるか
―苦痛の質を理解する姿勢が重要。環境調整が功を奏する。―広汎性発達障害
広沢 正孝
1
1順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科
pp.20-25
発行日 2012年3月15日
Published Date 2012/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100990
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疾患の定義・概念・診断基準
機能不全は生涯にわたって持続する
広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorders;以下PDD)とは、人生の早期に発症する発達障害の中の1つの群です。発達障害の原因は、現段階では不明ですが、おそらく遺伝的な要因が関与している中枢神経系の生物学的成熟にまつわる機能不全にあるのでしょう。いずれの群でも心理的機能の発達の障害がもたらされますが、「発達の障害」である以上、基本的に寛解や再発といった現象はなく、機能不全自体は生涯にわたって持続するとみられます。
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