特集1 新しい「精神疾患」この十年
その概念はどうして生まれたか。その診断名を持つ人に、どうかかわるか
―今、従来の見方が刷新されるとき。地域の多職種チームによる介入が有効とされる。―境界性パーソナリティ障害
林 直樹
1
1東京都立松沢病院
pp.12-19
発行日 2012年3月15日
Published Date 2012/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100989
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疾患概念が現れた歴史的経緯
境界性パーソナリティ障害についての考え方をアップデート
境界性パーソナリティ障害(Borderline Personality Disorder;以下BPD)は、決して新しい精神障害ではありません。しかし、その概念の歴史には大きな変化があり、その都度、新たに捉え直されてきた経緯があります。特に現在は、さまざまな領域での研究が大きく前進し、従来の見方が刷新されつつあります。それゆえ、ここでの議論には、BPDについての考え方をアップデートするという意義が認められるでしょう。
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