巻頭
宙ぶらりんで書く
多比良 孝司
1
1共同通信文化部
pp.9-14
発行日 2011年7月15日
Published Date 2011/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100882
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今も、脳裏から離れない光景がある。
瓦礫の山を切り崩していく重機を、多くの人々が遠巻きに見つめている。自衛隊員、警察官、地元の消防団員、そして、行方の分からない我が子を捜し続けている親たち。誰もが疲労を色濃く滲ませた表情で、押し黙ったまま、ただ、その作業を見守っている。
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