FOCUS
薬物依存症を看るジレンマに答える―その3:医療機関に望むこと
古藤 吾郎
1
1アパリ
pp.76-80
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100754
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医療施設は回復施設よりも敷居が低い
ダルクは、薬物依存からの回復プログラムを提供している施設として、なくてはならない社会資源です。しかし、ダルクへの入寮はけっして“敷居が低い”ものではないでしょう。長年ドラッグを使っていた、見も知らぬ大人たちとの共同生活をいきなり始めることは、決して容易なことではありません。ダルクに入寮している人たちは、何年もドラッグを使い続け、さまざまな被害が蓄積され、もうここしか行く場所がないという状況になって入ってくることが多いと思います。
実際に私が知っているいくつかのダルクでは、入寮者の平均年齢は30~40代です。しかし多くの人は、10代後半から何かしらのドラッグを使い始めています。つまり、10年以上ドラッグを継続的に、あるいは断続的に使い続けているということになります。
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