アルコール依存症治療の拠点機関が果たす役割と展開 ３．岐阜県における依存症治療拠点機関の取り組み

当院は2014～2016年度にわたり，全国５ヵ所の依存症治療拠点機関の１つとして各種依存症に対する対策，治療体制の構築に取り組んだ。はじめに県内に広くアンケート調査を行い，要望の多かった回答をまとめ，①各依存症に対する治療体制の構築，②相談支援体制の整備，③普及啓発活動の三点を中心に活動を行うこととした。結果，３年が経過した現在ではアルコール，薬物，ギャンブルともに専門外来が開設され，県内で専門的治療を受けられる体制ができ，相談支援マニュアルの作成や実際に使用するための研修会が開催され，地域の依存症治療に関する資源を一目でわかる形にまとめた依存症回復支援マップも完成させることができた。当院の取り組みは，地方でかつ，中小規模の民間病院という特色を活かした対応ができたと思っており，とりわけ岐阜県と同様に社会資源が十分でない地方における依存症対策についてのモデルケースとして参考となると考えている。今回の事業で得た成果を風化させず，更に充実させられるよう今後，一層取り組んでいく所存である。「KEY WORDS」岐阜県，依存症治療拠点機関，専門外来，相談支援マニュアル，依存症回復支援マップ