本を読むとき
『医療現場の暴力と攻撃性に向き合う 考え方から対処まで』
河野 伸子
1
1国家公務員共済組合連合会横須賀共済病院
pp.121
発行日 2010年7月15日
Published Date 2010/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100740
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本書は、英国で2006年に出版された“Violence and Aggression in the Workplace”の邦訳である。英国の保健医療福祉制度の理解がなくても、聞きなれないカタカナ用語が出てきても、困惑することなく読み進めることができる。それは、本書のテーマが、英国と日本という国や文化の違いを超えて普遍性をもつことに加えて、訳者による親切で的確な注釈と、翻訳臭さのない吟味された文章表現のおかげであろう。
とはいえ、気楽に読み流すことができるわけでもない。『医療現場の暴力と攻撃性に向き合う』というタイトルは、深く重いテーマを真正面から読者1人1人に突きつける。さらに、要所ごとにActivityと称して課題が提示され、わが身わが職場にひきつけて熟考することを要求される。まさに、問われているのだ。
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