連載 DV被害者に看護師ができること・12【最終回】
看護師が暴力と向き合うとき
友田 尋子
1
1大阪市立大学医学部看護学科
pp.412-417
発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100137
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この連載では,これまでDVについての知識,DV援助に必要な知識・技術,援助に際しての困難や限界について述べてきた.最終回として,暴力が看護師に与えてきた影響を振り返り,暴力と向き合うために必要な,スキルや態度を含む能力について紹介して締めくくりたい.
暴力と看護
暴力は犯罪であり,人権問題である.言葉を換えれば,社会問題である.
医学は長い間,社会問題を健康問題として認識し,相互に乗り入れて支援する方策を考えてこなかった.暴力によるけがを治療してはきたが,暴力が健康に及ぼす影響を身体に限定してかかわろうとしてきた.暴力が人間の心身のすべてを蝕むことを,被害者の身体が訴え続けてきたにもかかわらず,である.
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