特集 思春期病棟を「発達障害」の視点から作り直した病院がある―大阪府立精神医療センターの試み
看護長として考えていること
飯森 勝司
1
1大阪府立精神医療センター思春期病棟
pp.34-44
発行日 2010年1月15日
Published Date 2010/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100665
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当センターの思春期病棟は、昭和43年(1968年)4月に男子と女子の2つの病棟に分けて設置されました。その頃は全体で800床、17病棟を有する病院で、各病棟は50床規模で運営されていました。この2つの病棟を併せて男女混合病棟として再スタートさせたのが、平成5年(1993年)6月のことでした。合併の背景には精神科医療の地域移行への流れと、大阪府における精神科の基幹病院として機能を特化させることがあったと記憶しています。
再スタートした病棟は、もともと結核を合併した患者を治療していた建物でした。昭和43年(1968年)に建築された、ずいぶんと年季が入った建物で、現在もそのまま使用しています(写真1)。当初男子15床(保護室2床含む)、女子32床(保護室1床含む)の47床で運営されてきましたが、その頃は今のような思春期特有の疾患概念が確立されておらず、成人病棟の前段階の低年齢層患者が入院治療する病棟だったという印象が、私のなかに残っています。といいますのも、私自身が平成3年(1991年)に当センターに来て以来、いくつかの病棟を経験したなかで一度も思春期病棟にかかわったことがなかったため、そのように感じていたのかもしれません。病院という1つの枠組みのなかでも、各病棟が機能分化しており、他病棟のことはなかなかわからないものです。
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