事務長の業務を考える・5
事務長が考えこむ時
緒方 廣市
1
1武蔵野赤十字病院
pp.484
発行日 1994年5月1日
Published Date 1994/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901238
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医師の管理的職務
「事務長さん,人工心肺装置の技師養成に反対するつもりはないが,人工透析センターの臨床工学技士をもっていかれるのは絶対に困るので,別の臨床工学技士にして貰えないだろうか」と人工透析担当の腎臓内科部長から話があった.「そのことについては十分考えました.人工透析に携わっている4人の臨床工学技士の中でも目立つ存在であることも聞き及んでいます.しかしこれから臨床工学技士グループを一つにまとめたい方針という視点から彼に白羽の矢が立ちました.いずれにしても当院のMEセンター(中央機器管理室として昭和48年にスタートした.可能な限り医療材器類を中央に保管させ,保守点検を日常的に行い機器の寿命を延ばし,いつでも安心して使える,その上電話でのオーダーで各現場への出前,それも24時間体制での対応,その他大きなメリットとして医療機器の適正数保有と効率的運用など,既に日本病院会学会において数回に亘り発表済み)にも臨床工学技士が2名おり,人工透析室とMEセンターをリンクして透析業務に支障のないようにしますから御心配なく」ということで実施され,現在持に支障は起きていない(MEセンターは事務長直轄で透析室には派遣という形をとっている).
病院というファンクショナル組織体系では交叉した指示系統を否定することはできないが,守備範囲を超えると組織が機能を果たせなくなる恐れが生じる.
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