連載
ソローニュの森 ラ・ボルド病院・3
田村 尚子
pp.1-6
発行日 2010年1月15日
Published Date 2010/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100661
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私の滞在しているシャトーを中心に、飼育エリア、演劇アトリエ、パン工房、音楽サロン、その裏にあるブドウ農園の脇道、奥に連なる池の横の遊歩道……。病院の敷地はとても広大で、もうずいぶん歩いた。
「サイクリングに行くんだけど、一緒に行きませんか?」「集合は、午後3時、飼育小屋の隣の自転車置き場でね」とパリから来ている精神分析家のカテリーヌに誘われた。
ここへきて自転車で外に出かけるとは思ってもみなかった。飼育エリアにある自転車置き場で自分のお気に入りを選んで、タイヤやブレーキをチェックし合ってから、何人で今から出かけます、と病院の事務所に届け、サイクリングに出発する。参加者は患者さん6人にカテリーヌ、研修生のラウルに私を加えた9人だった。
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