特集2 新しい教科書「系統看護学講座/精神看護学」を読む
私が思い出してしまったあの出来事
②ケアの支配性―高齢者虐待事例にみる完璧なケアと「魂の殺人」
春日 キスヨ
1
1松山大学人文学部社会学科
pp.24-28
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100636
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私の専門は臨床社会学。看護の世界からすれば門外漢である。ただ、関心を持つ領域が家族、ケア、地域福祉で、かつ、駆け出しの頃から家族会やセルフヘルプ・グループにボランティアとして参加し、現場の支援専門職者の方たちと深いかかわりを持ってきた。その縁もあり、8年ほど前から「処遇困難・虐待ケース」の事例検討会に参加しはじめ、現在も地域包括支援センターの支援のあり方を保健師・看護師・ケアマネ等支援者の方たちと模索し続けている。
そのなかで見えてきたことがたくさんある。ひとつは支援専門職とされる保健師、看護師は玉石混交だということ。「支援者ではなく、月給取りでしかない」人が大勢いるのだ。
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