本を読むとき
『精神科の薬がわかる本』
長嶺 敬彦
1
1清和会吉南病院・内科
pp.123
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100582
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本当に「わかる」向精神薬の本は少ない
このたび医学書院から姫井昭男先生が書かれた『精神科の薬がわかる本』が出版された。これは精神科で使われている全領域の薬の使い方、作用、副作用、禁忌、患者さんへの説明の仕方がざっと理解できるお薦めの本である。解説されているのは「抗うつ薬」「睡眠薬」「抗精神病薬」「抗てんかん薬」「老年期に使う薬」「気分安定薬」「抗躁薬」「抗不安薬」「抗酒薬」「悪性疾候群の治療薬」「発達障害をもつ人への薬物療法」と、ざっと11領域にわたる。コンパクトながら、精神科の薬が“ざっと”理解できる。このような本を望んでいた人は多いのではないだろうか。
向精神薬に関する本は、一般的に言って非常に難解である。脳のさまざまな受容体や神経回路がひと通り頭に入っていることを前提に書かれているからである。
もっと簡便で、それでいて臨床の場で使える向精神薬の薬理の本はないものかと思っていたところ、姫井先生のこの本を見つけた。タイトル通り、向精神薬が「わかる」本である。
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