書評
『精神科の薬がわかる本』
伊豆上 智子
1
1東京医科歯科大学医学部附属病院看護部
pp.293
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101449
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
一般病棟で「精神科の薬」の知識がなぜ必要か
「精神科の薬」。ほとんどの看護の現場ではこれと関わっています。一般病棟では「睡眠薬」が代表的な「精神科の薬」という病棟もあるかもしれませんが,精神疾患の治療目的で「精神科の薬」を服用中の患者が他の疾患の治療目的で一般病棟に入院し,そこで抗精神病薬を含めた与薬業務を行なうことはめずらしくありません。
また,入院患者の夜間せん妄に対して内服薬や注射薬で「精神科の薬」が使われています。夜間の看護管理責任者として病棟をラウンドすると,眠れない患者や眠らない患者の夜間の安全の確保と安楽な療養のために,現場のスタッフたちが試行錯誤している場面によく出会います。また,高血圧や糖尿病に代表される生活習慣病など複数の疾患を抱え,それぞれに処方された複数の薬を使用している患者の入院が増えていますが,ここ数年,一般病棟の入院患者が入院前から使用している薬のなかに「精神科の薬」が含まれる割合も増えています。
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.