特集1の2 指定通院医療機関になったらどういうことをするのか
司法精神看護を学べるチャンスはここにあります
美濃 由紀子
1
,
宮本 真巳
2
1国立精神・神経センター精神保健研究所司法精神医学研究部
2東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
pp.73-78
発行日 2008年5月15日
Published Date 2008/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100507
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◉現場の声を受けて
指定通院医療機関の看護スタッフと話をすると、「司法精神看護とは何をすればいいのか?学校では習ってこなかったし、勉強したくても、どこで学べるのかわからない」と言われることがよくあります。「どんな文献を読んだらいいのか紹介してほしい。今後の展望を教えてほしい」というような問い合わせもよく来ます。指定入院医療機関に勤務するベテランナースでさえも、「自分の看護が果たしてこれでよいのか」、と常に自問自答しながらのケアの連続だといいます。医療観察法による鑑定入院を引き受けている精神科病棟に勤務する看護スタッフからは、「ケアの指針が示されず、何をしたらいいか、何をしてはならないのかすらわからない」という訴えがあります。
そうした方々の話を聞くにつれ、医療観察法の対象者を目の前にして、多くの看護師が日々のケアに迷いや葛藤や苦悩を抱きながら模索していることが伝わってきます。精神科医療の現場では、「司法精神看護学について学びたいし、教えてほしい」というニーズが非常に高いのだということをあらためて痛感します(コラム 次ページ「司法精神医療の歴史」参照)。
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