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昨今はあちらこちらで検査室再編・業務改革・意識改革と,非常に熱意あふれる取り組みがなされようとしていることがうかがえます.こうした再編・改革には「物事を変えていくダイナミズムと楽しさ」がある反面,「既成を壊し,これまでの安心領域から脱却する」という大きな痛み・苦しみも伴います.しかし,改革の先に目指すゴールを見たいと思えば,そこに向かって走る過程では必死になって汗を流し,場合によっては涙を流さざるを得ません.大きな成果を手にしたければ,自分たち自身が先頭に立って突き進まなければならないと思います.
臨床からの検査オーダーに応じ,検査結果というわれわれにとっての商品を提供している日常業務の姿を思い起こすとき,また,病院という組織の中で臨床検査の立場を考えたとき,ややもすると「何か」が外的要因に起因して起こることを,検査室の中で「待って」いる姿勢が見え隠れするのではないでしょうか? 他の誰かが,他のどこかがわれわれに変化をもたらしてくれることを,知らず知らずのうちに期待している自分がいたりしないでしょうか? 何かに任せて流れていくのは楽だし,流れに身を任せればよい状況は,ある意味,心地よいかも知れません.しかし,われわれが検査室の外から期待されていることは臨床検査のプロフェッショナルであると同時に,組織の利益に大きく貢献していく組織人であることも間違いありません.そうした期待値に応えようと考えたとき,やはり人任せ,物任せではいけないと考えます.変革を「待つ」のではなく変革を「仕掛けていく」,自分たちの安心領域を「守る」のではなくチャレンジ領域へ「攻め込んでいく」姿勢を常に持ち続け,活力ある組織作りをしていきたいと考えています.
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