特集2 どうやってもうまくいかなかった「境界例」
看護者の抱える困難事例
2.3年半にわたる長期入院のなかで境界例的問題が際立ってきた症例
堀 惠子
1
1京都大学医学部附属病院
pp.46-50
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100334
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境界例の患者が入院治療になる場合,病棟は混乱を極めます。最も深刻な問題は,患者の行動化と対人操作のために精神科スタッフが互いに対立したり,巻き込まれて治療活動が破壊されることです。
統合失調症の診断で入院治療を続けていた症例が行動化,自傷行為を繰り返し,途中より境界例としての対応に迫られながらも,看護者としての対応方針を出せないままに行動化に巻き込まれてしまった場合,どのように関係を立て直していけばよいのか。統合失調症の不安感に安心感を与えながら,境界例の衝動行為に枠組みを作り,自立,退院へと進めていくにはどのようにかかわっていけばよいのかを考えさせられた症例です。
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