Japanese
English
シンポジウム 境界例の診断と治療
イギリスにおけるいわゆる「境界例」研究について—症例を中心に
On the Study of “the Borderline” in England: a case discussion
衣笠 隆幸
1
Takayuki Kinugasa
1
1衣笠クリニック
1Kinugasa Clinic
pp.311-317
発行日 1992年3月15日
Published Date 1992/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903220
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■はじめに
本稿においてはイギリスにおける「境界例」について,臨床症例を中心に考察を加えてみたい。そのためには,いくつかの問題点がある。
1.アメリカにおける「境界例」の定義上の不統一(詳細は他の論文に譲る)7〜9)
「境界例」の研究は主としてアメリカで行われてきたものであるが,歴史と共にその定義が異なり,現在も統一をみていない。その1つは1950年代の「境界例」研究で,これは神経症と分裂病の境界にある潜伏性分裂病の研究である。この意味の境界例研究は現在はあまり活発には行われていない。
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