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『人を信じつづける看護』 信じることのウラにケアの宝がある
田上 美千佳
1
1東京都精神医学総合研究所
pp.100
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100229
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- 文献概要
本書には,著者である山内氏(眞知子さん)の33年間の精神科看護が語られています。決して,平穏に進行したわけではない患者さんとのかかわりが,「こんなに苦労して大変だったのよ」ではなく,巷では“もののけ”といわれる眞知子さんのマジシャンのような技術によって,穏やかに経過しているかのように見受けられるのです。優れたマジシャンほど,そのトリックがわからず,すばらしさだけに目を奪われるものですが,私はそのウラにあるトリックについて考えてみたいと思います。
本書にある技術の基本は,信じてとことんつきあうことであり,それによって患者さんが回復していきます。それだけではありません。「手放しで患者さんを信じることしかできず」と著者が語るそのウラには,実はケアの宝が隠されているのです。
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