特別記事
イタリアの精神医療を変えたトリエステのいま
佐藤 三子
1
1通訳・翻訳業・ローマ在住
pp.92-99
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100189
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イタリアは,精神病院廃止を義務づけた法律180号を公布して,今年で25周年目を迎える。この法律に基づき,イタリア国内の公立精神病院が段階的に閉鎖されていき,2000年に全廃された。同時に,社会復帰施設の整備,住宅や職業の確保,地域全体で支援するシステム作りなど,廃止後のサポートを確立したことで,入院患者は閉鎖病棟から解放され,自分の生まれ育った地域に戻っていった。このイタリア精神医療改革の発端を作り出し,牽引の役割を果し続けているトリエステ県の精神医療改革の経過を見直し,ここに現在の到達点を明らかにしてみたい。
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