連載 この本に注目
『小児救急「悲しみの家族たち」の物語』
子どもたちに未来を
坂田 三允
1
1日本精神科看護技術協会
pp.117
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100170
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子どもの容態は急変しやすく、また夜間に具合が悪くなることが多い。元気で遊んでいるうちは、本人はもとより周囲の大人たちも気がつかない。静かになってさあ眠ろうかというころになると、ぐったりしていたり、熱が出ていたりする。朝まで様子を見ようかと考えていると、急に苦しみ出したりして、あわてて救急車を呼ぶことになってしまう。したがって、小児救急はいつも混んでいる。
本書には、3つの家族が登場する。「激務によってうつ病を患い、四四歳で自殺した小児科医」の残された家族、「夜間に小児科医がいる病院が見つからず、七ヶ月の息子を亡くした」若い家族、「『小児救急の充実』をうたう深夜の救急病院で、誤診と引継ぎのミスから5歳の息子」を亡くした家族の人たちである。
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