特集 短期入所と通所サービスをめぐる課題
特集6
地域と施設の“いい関係”をめざすには
在宅生活を継続するための短期入所生活介護の役割―痴呆性高齢者とその妻を地域で支える事例から
坪山 孝
1
,
上村 恵子
1
1社会福祉法人るうてるホーム
pp.903-907
発行日 2000年11月15日
Published Date 2000/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688902092
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はじめに
介護保険制度に移行して短期入所生活介護は,介護サービス計画になじまないことや使い勝手に問題があるために,利用率が低下していると指摘されている.措置制度時代のショートステイサービスは,家族の介護負担軽減に貢献するサービスとして常に飽和状態にある人気サービスであり,特別養護老人ホームの生活指導員はその交通整理に苦労した.介護保険制度に移行後は急に利用者が減少し,短期入所生活介護専用施設からは悲鳴が聞こえている.いくつかの施設は介護老人福祉施設へのベッドの転用を模索しているが,短期入所生活介護が介護者の介護負担を軽減し,在宅生活を安定的に継続するためのサービスとして,今後も在宅サービスの中核の1つであることは間違いない.
ショートステイサービスがこれまでよく利用されていたのは,「ニーズ」があったからではなかったのか,少数の利用者がリピーターとしてベッドを必要以上に占有していただけなのか,また制度が使いやすかったために利用を助長していたのかなど,措置制度時代の人気の理由については今後明らかにされるであろう.
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